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暮らし先読み、後読み予報~生活リズムの予兆を<n=1>からみる⑧~麻婆豆腐は中華料理なのだろうか?~

知るギャラリー公式note

こんにちは、笠原です。本日も「知るギャラリー」の記事をご紹介します。

本日ご紹介する連載を執筆いただいているマーケティングプロデューサー 辻中俊樹さんは、暮らしの変化の予兆を先読み・後読みするために、その<n=1>という暮らしを30年以上観察し続けています。

生活シーンの1つ1つは断片である。ただし、それらを流れ・連続性でとらえていくことで大きな潮目を見通すことができる。暮らしの文脈を可能な限り共有できるよう、可視化・物語化していくつもりである。

暮らし先読み、後読み予報―生活リズムの予兆を<n=1>からみる 第一回より

その辻中さんの連載から、第8回、麻婆豆腐は中華料理なのだろうか?をご紹介します。

突然ですが、あなたは最近麻婆豆腐を食べましたか?
それはお店で外食したものでしょうか。それともご自身で料理をしたか、もしくは家族に作ってもらったものでしょうか。
 
私(笠原)はあまり料理をしないので(笑)、麻婆豆腐を最近食べたのは中華を外食したときですが、実家で暮らしていたことを思い出してみます。
母が麻婆豆腐を作ってくれたとき、他のメニューははたして餃子や春巻きといった中華で統一されていたのか・・・思い返してみると、そうではなかった気もします。
 
ここで、辻中さんの記事にでてくる写真を一枚見てみましょう。

嘘偽りのない、とてもリアルな食卓の1枚ですよね。そして、こんな感じでさまざまなおかずの中の一つとして、献立に登場する麻婆豆腐はとても見覚えがあります。

ここに紹介した食卓は夫婦二人暮らしの間もなく四十代になる女性からのフォトハンティング情報である。まず明確なのは中華料理の定番中の定番である「麻婆豆腐」が、食卓に並んではいるが、この食シーン全体は中華風というイメージとは全くかけ離れたものであることだ。

(中略)

何故か「麻婆豆腐」の隣には、ぶりの照焼きがあり、さらに大根とにんじんの酢の物風の和え物があり、煮豆が写っている。和え物は残り物であり、煮豆は常に冷凍庫に入っている生協の総菜である。この「食べ方」には中華風という統一的、あるいは画一的な概念はまるでないといっていい。食べたいというイメージが湧いたものがランダムに並んでいる。これが「食べ方」というものの実像である。

記事より

なるほどたしかに、もはや「中華」「和食」「洋食」というカテゴリーで食卓に並ぶメニューが構成される、ということ自体が【固定概念】によるものであり、実際の生活者のリアルとは乖離があるのでと気づかされます。
 
続いて登場するのはこんなシーンでの麻婆豆腐です。

四十代の子供二人がいるママのある日の夕食シーンである。麻婆豆腐が作られた背景には、「賞味期限が切れた豆腐が残ってしまっていたのを何とかしたかったから」。中華の定番の「麻婆豆腐」を是非食べたいというスイッチが入った訳ではなく、冷蔵庫の在庫一掃スイッチがメインだった。

記事より

・・・あるある!ありますよね、そういうこと。
 
このように、辻中さんは、「麻婆豆腐」という献立で観察するのではなく、「食べ方」という暮らしの文脈で観察することで、見落としてしまいそうな生活者の本当の意図が見えてくると伝えています。
 
その他にも、辻中さんの連載では<n=1>に注目し、言語化されていない事象から、辻中さんの観察眼でしか見つけることのできないような生活者のリアルな実態を解説しています。
 
「暮らし先読み、後読み予報~生活リズムの予兆を<n=1>からみる」は現在第19回まで連載されていますので、ぜひご一読ください!
 
参考記事:暮らし先読み、後読み予報~生活リズムの予兆を<n=1>からみる⑧~麻婆豆腐は中華料理なのだろうか?~


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